登校しなくなってからしばらくは、電話で担任の先生とやり取りをしていて、息子の家庭での様子などを共有していたんだ。
そんな中、担任の先生から、「教室への登校が難しいなら、別室への登校はどうか」という提案があった。息子と話して、一度、教室ではない別室へ登校してみることにしたよ。
家族で、同じ方向を向けているということ
子どもの件に関しては、妻ともよく話をする。
私は本来、性格的にネガティブに物事をとらえることが多いのだけれど、妻は真逆。すごくポジティブなんだよね。
不登校になっていくことに対しても、妻は私より早い段階から、頭の中とその感情を切り替えて、息子にとっての最善を考え始めていたと思う。
ほかの子と比べるのではなく、息子にとって楽しい人生になる選択肢を、一緒に考えていく。——その価値観が、家族として同じ方向を向けていること。それが、すごくありがたく、そしてうれしく思うなぁ。
別室登校と、支えてくれた先生たち
朝、他の生徒が登校を終える時間帯にあわせて、私も一緒に校門までついていき、息子は別室や保健室に登校するようになった。
学校には、就学支援の先生が在籍していて、息子のように教室に行けなくなってしまった子たちのサポートをしてくれていた。ほんと、ありがたいよね。
息子はとりあえず別室へ登校して、給食の時間になると、私が迎えに行って下校する。そんなサイクルだった。
スクールカウンセラーの先生との時間
そんなとある日、「週に一度、スクールカウンセラーの来る日があるから、会ってみない?」という話をもらった。
正直、あまりよくわかっていなかったけど、いろいろな経験、人との出会いという観点から、毎週1時限だけ、カウンセラーの先生と過ごす時間をつくってもらった。
家で「どういうことをやってるの?」と聞いたら、特別なことは何もやっていないらしく、ただその時間、トランプをしたり、お話をしたり、そういうたわいのない時間をすごしていたらしい。
週一のその時間、息子はあまり抵抗なく、そのカウンセリングの面談を受けていたのを覚えている。
結局、学校の中においても、この先生がすごく安心できる存在で——うまく表現できないけど、心が落ち着く居場所を作ってくれている存在だったんだろうなぁ、と思う。
心の平穏って、大事だよね。大人であれ、子どもであれ。
もちろん、生きていくうえで、常にそういられるわけではないことはわかっている。けど、心をすり減らしていくような環境に居続けることは、私自身も、家族も、子どもたちにも、やめてほしいと思うなぁ。
「自閉スペクトラム」という言葉との出会い
1〜2か月くらいかな。その別室登校を続けていたところ、カウンセラーの先生から「『自閉スペクトラム』の簡単なテストを受けてみない?」と言われた。
あまり聞きなじみのない言葉だったため、最初は少しとまどったけど、「息子のことをより理解できる、良い機会だな!」と妻とも話して、休日に、その先生の普段の職場を訪ねて、テストを受けさせてもらった。
結果——医師ではないので診断ではないけれど、結果を見る限り、「自閉スペクトラムの可能性がある」と教えてもらった。
自閉スペクトラム症とは
ここで、少しだけ言葉の意味についてふれておくね。
厚生労働省などの公的な情報によると、自閉スペクトラム症(ASD)は、人との関わりやコミュニケーションの難しさと、行動や興味のかたより(こだわり)、感覚の敏感さなどの特性がみられる、生まれつきの脳の発達の特性(神経発達症)とされている。
「スペクトラム」は“連続したグラデーション”という意味で、特性の強さは人によってさまざま。だから「ここからが自閉症」とハッキリ線を引けるものではないし、子育てのせいでなるものでもない、とされているね。
(参考:発達障害情報・支援センター〔国立障害者リハビリテーションセンター〕/厚生労働省)
地図を手にしたような感覚
このテスト結果をきいて、私は、とても視界がクリアになった感じがしたんだよね!
息子は、こういう特性を持っている子なんだ、ということがわかった。そこを理解して、知ることができたのは、すごく大きなことなんだよね。
本当に、進むべき方角が分かったというか——大げさに言うと、地図を手にすることができたような感覚だよね。
今まで以上に、先を明るく見通せる。そんな気持ちになれた、すごく貴重な機会となったよ。
最後に
今回は、別室登校から、息子の「特性」を知るまでのお話。
「自閉スペクトラムの可能性がある」と分かってから、息子も今までだいぶ生きづらかったところもあっただろうなぁ、と思うようになったよね。
確かに、自分の気持ちを言葉にして伝えることが得意でなかったり、大きな音にすごく反応したり、と、思い返せば、そう教えられて腑に落ちる様子も、確かにあったなぁ。
でも、家族だと、いつも一緒にいる分、思っていることも伝わるし、特に気にならなかった。
しかし、社会で生活して他人と関わっていく上では、コミュニケーションをとっていく上で、苦労する場面も出てくるだろうね。
そのことを、このタイミングで知ることができたのは、すごくラッキーなことだと感じているよ。
そこも含めて、息子の大事な特性の一部。必要なところは、これからどんどん成長していければ良いのだからね!
うん。やっぱり未来は明るいね!
そうそう、最後にひとつ。
別室登校をしていたころ、息子は毎日のように紙工作を作って、私にくれていたんだよね。
それを今でも、職場のデスクに大事に置いているよ。

~別室登校の時に作ってくれた紙工作。捨てきれない。私の宝物。~
それじゃ、また!

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